「加速化プラン」による育児給付の拡充案について
- 2024.05.14 コラム
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はじめに
さらなる子育て支援政策が議論される中で、「加速化プラン」と称する3年間の集中的な取り組みが行われようとしています。
具体的には、男性育児休業(産後パパ育休)を念頭とした産後一定期間の給付率の引き上げや、育児時短休業給付(仮称)の創設などが検討されているため、現段階の情報を紹介します。
目標
岸田文雄首相は男性の育児休業取得率について公務員、民間の双方について、男性の育児休業取得率の目標を引き上げるとし、具体的には、2025年度に公務員85%(1週間以上の取得率)、民間50%、さらに2030年度には公務員85%(2週間以上の取得率)、民間85%として目標を掲げています。
産後パパ育休等の拡充
「産後パパ育休」(出産後最大28日間)の期間を念頭に、出生後一定期間内に両親ともに育児休業を取得することを促進するため、男性が一定期間以上の「産後パパ育休」を取得した場合には、給付率を現行の67%(手取りで8割相当)から、8割程度(手取りで10割相当)へと引き上げることが予定されています。
2025年度からの実施を目指して検討が進められています。
育児時短就業給付(仮称)の創設
柔軟な働き方として、男女ともに、一定時間以上の短時間勤務をした場合に、手取りが変わることなく育児・家事を分担できるよう、子どもが2歳未満の期間に、時短勤務を選択したことに伴う賃金の低下を補い、時短勤務の活用を促すための給付(「育児時短就業給付(仮称)」)の創設が検討されています。
給付水準については、男女ともに、時短勤務を活用した育児とキャリア形成の両立を支援するとの考え方に立ち、引き続き具体的な検討を進め、2025年度からの実施を目指すとされています。
具体的な給付内容については未定ですが、休業前賃金の1割程度の給付になるとの案が出ているようです。
週20時間未満の雇用保険
多様な働き方と子育ての両立支援策として、子育て期における仕事と育児の両立支援を進め、多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットの構築が議論されています。
例えば、雇用保険が適用されていない週所定労働時間20時間未満の労働者についても、失業給付や育児休業給付等を受給できるよう、雇用保険の適用拡大に向けた検討を進めるとされています。
社会保険適用拡大の影響等により、一部のパートタイマーが労働時間を週20時間未満に抑制する可能性があります。
それらの時短勤務者に対しても失業保険の保護対象とすることで、育児などのライフステージに合わせて多様な働き方をしやすくする狙いでしょう。
施行時期については適用対象者数や事業主の準備期間等を勘案して2028年度までを目途に施行することとされています。
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