同一労働同一賃金のガイドラインの改正案について
- 2026.01.15 コラム
さくら社会保険労務士法人では、愛知・名古屋を中心に労務問題対応、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
はじめに
近年、働き方改革関連法の施行から数年が経過し、正規社員と非正規社員の不合理な待遇差をなくすことを目的とした「同一労働同一賃金」は、企業の人事制度に大きな影響を与えてきました。
政府は制度の実効性をさらに高めるべく、ガイドラインの改正案を公表しました。
以下、改正案のポイントについて整理します。(2025年12月15日現在では、ガイドラインの見直しは検討段階であり決定事項ではありません。)
改正案の背景と目的
現行制度では、職務内容や責任の程度、配置の変更範囲(転勤対象となるか)などを総合的に比較し、正規と非正規の待遇差が「不合理」であるか否かを判断するとされています。
しかし、実際の運用では、企業側の説明が十分ではない場合、待遇差の根拠が曖昧な場合などが問題視されてきました。
また、同一労働同一賃金に関する最高裁判決が相次いで出されたことで、より具体的な判断基準が示されてきました。
今回の改正案は、これらの判例を踏まえた内容となっています。
改正案の主なポイント
1.待遇差の説明義務の明確化・強化
パートタイム・有期雇用労働法では、非正規社員から求めがあった場合に待遇差の理由を説明する義務が定められています。
今回のガイドライン改正案では、この説明義務の運用について、より具体的な指針が示されています。
例えば、「単に『雇用形態が違うから』といった主観的・抽象的な説明では不十分で、客観的・具体的な実態に基づく説明が必要」などの踏み込んだ表現がみられます。
「労使の話し合いや議論による合意形成が望ましい」などの表現もあります。これらの指針から外れたものが説明不十分=不合理な待遇差と判断される可能性が伺えます。
2.手当・教育訓練・福利厚生の取扱の明確化
今回の改正案では、これまでガイドラインに明記されていなかった以下の項目が新たに追加されました。
|
・退職手当 ・家族手当 ・住宅手当 ・夏季冬季休暇 ・無事故手当 ・褒賞(インセンティブ) |
特に退職手当については、職務内容や配置の変更範囲が正社員と同一であり、かつ長期間勤務している非正規社員に対して、不合理な差を設けることが難しくなる可能性があります。
これは多くの企業に影響を与える重要な変更点です。
3.職務評価の導入促進
同一労働同一賃金の根幹となるのは、職務内容の適切な把握と評価です。改正案では、職務内容の適切な把握と評価の重要性が強調されています。
ただし、本格的な職務評価制度の導入は、中小企業にとってハードルが高いのも事実です。
まずは、正規社員と非正規社員の職務内容の棚卸しやタスクの洗い出しから始め、両者の違いを整理することをお勧めします。
特に、非正規社員の職務内容を詳細に把握し、正社員との違いを整理することで、待遇差の合理性を説明しやすくなるでしょう。
【参考】厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン 見直し(案)」(2025年11月21日公表)他
労務問題対策には専門家の支援を
当法人では、企業様に顧問社労士契約を推奨しております。労務・手続き・助成金に強い顧問社労士をつけることで、労務問題を迅速に解決するだけでなく、給与計算や諸手続きにかかる総務部門の間接コストを削減することができ、経営に専念できる環境を整備出来ます。その他にも受給できる助成金の提案・申請代行や各種研修の実施・最新情報提供など、様々なメリットがあります。 詳しくは、【サービス紹介】をご覧ください。
実際に顧問契約をご締結いただいている企業様の声はこちら【顧問先インタビュー】











