協会けんぽ保険料率変更と健康診断について
- 2023.05.02 コラム
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はじめに
WHOが「健康寿命:平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間」という新たな指標を示し、予防医療にさらなる関心が高まる中、健康診断受診の重要性が説かれています。
労働安全衛生法では、原則として年1回以上の健康診断実施義務を事業主に課しており、労働基準監督署の臨検調査においても健康診断実施状況は指導項目に入っています。以下健康診断について、協会けんぽ保険料変更の情報と併せて解説していきます。
協会けんぽ保険料の変更
協会けんぽの2021年度決算は、収入が11兆1,280億円、支出が10兆8,289億円となり、受診控えの影響などで前年度に減少していた医療費がコロナ前の水準を上回り、支出が大きく増加しました。この影響で2023年年3月以降多くの都道府県で保険料率が上がりましたが岐阜県・三重県では下がりました。
都府県 | 2023年2月まで | 2023年3月から | 変動の方向 |
※組合管掌健康保険については、健康保険組合ごとに改定時期、保険料率が決定されています。詳細は、ご加入の健康保険組合にご確認ください。
※保険料は2023年3月分から変更となり、翌月徴収の場合は4月に控除する保険料から変更となります。徴収する時期をいつにしているかによって変更のタイミングが異なります。ご不明な点がございましたらお気軽にお問合せください。 |
愛知県 | 9.93% | 10.01% | ↑ | |
岐阜県 | 9.82% | 9.80% | ↓ | |
三重県 | 9.91% | 9.81% | ↓ | |
静岡県 | 9.75% | 9.75% | → |
また、40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)にかかる介護保険料率も1.62%から1.82%へと上昇しました。
生活習慣病予防健診の自己負担額
保険料上昇を抑えるために、協会けんぽでは健康診断(生活習慣病予防健診)に対する費用補助により受診を奨励しています。2023年度からは受診費用補助額が増額され、一部の被保険者について下記表の通り自己負担額が軽減された状態で受診できるようになります。
自己負担額の上限 | 一般検診に追加して受診する検診の自己負担額の上限 | |||||
健診の種類 | 2022年度 | 2023年度 | 健診の種類 | 2022年度 | 2023年度 | |
一般健診 | 7,169円 | 5,282円 | 付加健診 | 4,802円 | 2,689円 | |
子宮頸がん検診単独 | 1,039円 | 970円 | 乳がん検診(40~48歳の方) | 1,686円 | 1,574円 | |
乳がん検診(50歳以上の方) | 1,086円 | 1,013円 | ||||
子宮頸がん検診 | 1,039円 | 970円 | ||||
肝炎ウィルス検査 | 624円 | 582円 |
健診費用の補助対象となるのは、一般検診で35歳以上の男女、乳がんは40歳以上の偶数年齢の女性、子宮頸がん等は35歳以上の偶数年齢の女性など、年齢の設定があります。詳細は協会けんぽから届く検診対象者一覧をご確認ください。
健康診断と労務管理
一般健康診断については所定労働時間内に実施する義務はありませんので、所定休日に実施することとしても構いません。しかし、受診率を上げるためには所定労働時間内に実施することが望ましいとされています。また、健康診断の結果は会社で5年間保管することが義務付けられていますので写しを回収しましょう。受診の結果に異常の所見があった場合、会社が健康を維持するのに必要な措置を医師等から意見聴取することが義務付けられていることに注意しましょう。
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