シフト制労働者の年次有給休暇の算定ルール明確化について
- 2026.09.16 コラム
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はじめに
厚生労働省は令和8年6月19日、「いわゆる『シフト制』により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」を改正しました。
今回の改正では、これまで実務上の判断に迷いやすかった年次有給休暇の付与日数の算定方法について、具体的な考え方が明記されています。
シフト制でパート・アルバイトを雇用する事業者にとって、就業規則や労務管理の見直しが必要になる可能性があるため、ポイントを整理します。
シフト制は、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期間ごとに作成する勤務シフトで初めて労働日・労働時間が確定する働き方です。
人手不足への対応や労働者側のニーズの多様化を背景に広がっていますが、所定労働日数があらかじめ定まっていないため、
年休の付与日数をどう計算すべきか、現場で判断に迷うケースが少なくありませんでした。
今回の改正は、この点を明確化するものです。
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主な改正ポイント
- 1.比例付与を含めた年休付与日数の考え方
週の所定労働日数が4日以下(又は1年間の所定労働日数が216日以下)、かつ週の所定労働時間が30時間未満の労働者には、通常の労働者より少ない日数を比例的に付与する仕組み(比例付与)があります。
改正後の留意事項では、シフト制労働者にこの比例付与を適用する際の整理が加えられました。
- 2.所定労働日数を算出しがたい場合の取扱い
シフト制では契約上「週◯日勤務」といった所定労働日数の定めがないケースも多くあります。
このような場合、改正後の留意事項では、雇入れからの一定期間の労働日数の実績をもとに所定労働日数をみなして算出し、年休日数を決定してよいとされました。
実績にもとづく算出を明示した点が、今回の改正の実務上最大のポイントです。
具体的には、以下の日数を算出根拠とできます。
- ・雇入れ6か月経過後の年次有給休暇の付与に当たっては、雇入れから6か月間の労働日数の実績を2倍した日数
- ・雇入れ1年6か月経過後以降の年次有給休暇の付与に当たっては、前年の労働日数の実績
- ・労働契約書等において定める「一定期間の目安となる労働日数:1か月あたり◯日等」※
※当該日数を基準日における所定労働日数とみなして算出した年次有給休暇の付与日数が、上記の労働日数の実績を用いて算出した付与日数を上回る場合に限る。
- 3.年休取得時に支払う賃金の計算方法
年休を取得した日の賃金をどのように計算するかについても取扱いが追記されました。
通常の賃金(所定労働時間労働した場合に支払われる賃金)、平均賃金、標準報酬日額のいずれかによる算定方法を、就業規則等であらかじめ定めておくべきことが改めて示されています。
このうち標準報酬日額による方法は、就業規則の定めに加えて労使協定が必要です(労基法39条9項)。
また、労働者ごとにその都度どの方法にするかを選ぶことは認められません(昭27.9.20基発675号)。
月給者は通常の賃金、時給者は平均賃金と就労形態別に定めること自体は違法ではありませんが、区分の理由を説明できるようにしておきましょう。
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事業者が取るべき対応
まず、就業規則や雇用契約書における年休付与の定めを確認し、実績ベースで算定する場合のルール(対象期間、算定式など)を明文化しましょう。
あわせて、出勤日数・出勤率を正確に記録できる勤怠管理体制と、有給休暇の日数管理体制も整備しましょう。
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