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私傷病休職からの復職の判断基準について

2026.02.19 コラム

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はじめに

私傷病休職(従業員の病気やけがによる休職)からの復職可否を判断するのはあくまで会社ですが、その判断には客観性と合理性が求められます。

医師の診断や本人の申し出は重要な判断材料の一つですが、最終的な決定権は会社にあります。

以下、会社が適切な復職可否の判断をするための判断基準と注意点を整理して説明します。

復職判断の基本原則

復職可否を判断する際、会社が検討すべき基準は「休職事由(病気・けが)が消滅し、従前の職務※を通常の程度に遂行できると判断できるか」という点です。

過去の復職をめぐる裁判でも概ねこの基準を用いています。

※職種限定のない場合は配置転換の可能性も検討が必要

医師の診断の効力

従業員が復職を希望するとき、多くの場合「主治医の診断書」を提出します。

この診断書は、休職事由の消滅と業務復帰の可能性を示す重要な客観的資料です。

しかし、主治医は治療の観点から「復職可能」と判断しており、職場での通常業務内容を詳しく知っているとは限りません。

患者から聞いた情報をもとに医学的に推定しているものも少なくないでしょう。

その意味では主治医の診断は復職可否を判断する上では「必要条件の一つ」と考えられます。

条件付き復職について

ある最近の裁判例(T社事件・東京地裁令和5127日判決)では、主治医の診断書に「当初は4時間勤務から開始し、その後2か月程度で定時勤務に戻すことが望ましい」

との条件が付された場合の復職判断について検討され、裁判所は次のポイントを明確にしました。

・「短時間勤務なら可能」という状態は、原則として「治癒(休職事由は消滅した)」とは言えない。

・「治癒」の判断基準は、従前の職務を通常の程度で行えるかどうかである。

・条件付きの軽易業務への復帰が、当初から通常業務復帰に「ほどなく」至る回復を見込める場合に限って、例外的に「治癒」と判断され得る。

この裁判例では、2ヶ月の準備期間は「ほどなく」とはいえず、休職事由が消滅したとは認められませんでした。

復職可否を判断する実務的方法

前述の裁判例を参考にすると、復職可否の判断を正しく行うためには以下のような実務対応が有効です。

実際の出勤による検証

単に診断書や申出だけでなく、可能な範囲で実際に従前の職務に就いてもらい、その様子を観察が重要です。

裁判例でも、出社後すぐに体調不良で退社するなどの具体的な行動が判断材料として重視されています。

産業医による評価の活用

復職判断にあたり産業医の意見を求め、職務との関係で健康状態を評価してもらうことで客観性を高められます。

主治医は立場上「患者側のバイアス」がかかる傾向にあるため、客観的判断のために産業医への依頼を検討してもよいでしょう。

リハビリ出勤や段階的勤務の検討

賃金の取り扱いなどの法的整理を行った上で、リハビリ出勤制度などを取り入れる方法もあります。

復職可否判断をする目的であることを明示した上で、判断基準もあらかじめ明確にしたものとしてリハビリ出勤を運用してもよいでしょう。

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