年収106万円、130万円の「年収の壁」対策について
- 2024.03.06 コラム
さくら社会保険労務士法人では、愛知・名古屋を中心に労務問題対応、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
はじめに
年末近くになると「配偶者の扶養から外れてしまうので就業を調整したい」というパート、アルバイトから要望が上がってくるケースがあります。
一定以上の収入や労働時間になると税法上、社会保険上の扶養から外れてしまうためにパートタイマーが就業を抑制する現象は「年収の壁」と言われています。
2024年10月から51人以上の会社についてパート・アルバイトへ社会保険適用が拡大されることなども影響して、厚生労働省からこれらの壁を意識せずに働くことのできる環境づくりを後押しするための施策「年収の壁・支援強化パッケージ」が公表されました。
現時点での情報について解説します。
106万円の壁への対応–キャリアアップ助成金の拡充
厚生年金被保険者が51人以上の会社で働く「週20時間以上かつ月収88,000円以上=年収約106万円以上」のパートタイマーは、2024年10月から社会保険加入対象となります。
自らの社会保険負担が生じることで手取り額が減ってしまうことの補填ために、キャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」が新設されることとなりました。
このコースは、パートタイマー等が社会保険の加入により手取り収入が減少しないように①手当を追加支給する②労働時間を延長するなどの従業員の収入を増加させる取組みを行った会社に対して、従業員1人当たり最大50万円の支援を行うものとなっています。
また、①の手当の追加支給について、社会保険の等級を決める際に算入しない「社会保険適用促進手当」として支給する場合もこの助成金の支給対象となります。
助成金は最大2年半分支給され、次の図のようにその間の社会保険負担を実質的に補填する内容となっています。
【社会保険適用時処遇改善コースのイメージ】
130万円の壁への対応
健康保険被扶養者・国民年金第3号被保険者の認定の基準「年収130万円未満」について、年収が一時的に130万円を超えてしまう場合も被扶養者として認定される方法が示されました。
この場合、「人手不足による労働時間延長等に伴う残業代増加などの一時的な収入の変動」である旨を 会社が証明する書類を添付し申請することにより、収入が一時的に130万円を超えても、同一人物について最大2回の被扶養者認定がなされるようになります。
具体的には毎年冬季に行われる被扶養者資格に 係る調査票を提出する際に申請ができるようになると予想されます。
家族手当について
税法、健康保険法における被扶養者の認定基準を企業の家族手当の支給基準に準用しているケースについて、その見直しを周知していくことが発表されています。
労務問題対策には専門家の支援を
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