雇用調整助成金の段階的縮小について
- 2022.01.26 コラム
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はじめに
コロナ禍の影響で拡充されていた雇用調整助成金ですが、秋以降の新規陽性者数の減少やワクチン接種率の高まりを受けて、2022年1月以降いよいよ本格的に縮小段階に入るという予定が発表されました。今までは雇用を維持し社会的混乱を防ぐために手厚く補償されていましたが、これからの雇用流動化に向けて舵が切られたとも言えるでしょう。以下改正予定の内容と注意点について解説します。
2021年1月以降の上限と助成率
下表の通り、1月以降の雇用調整助成金について助成率は維持されますが、1日あたりの上限額が段階的に減少することが予定されています。
中小企業
対象月 |
2021 12月まで |
2022 1,2月まで |
2022 3月以降 |
原則 |
4/5(9/10) 13,500円 |
4/5(9/10) 11,000円 |
4/5(9/10) 9,000円 |
地域特例・ 業況特例対象 |
4/5(10/10) 15,000円 |
4/5(10/10) 15,000円 |
4/5(10/10) 15,000円 |
大企業
対象月 |
2021 12月まで |
2022 1,2月まで |
2022 3月以降 |
原則 |
2/3(3/4) 13,500円 |
2/3(3/4) 11,000円 |
2/3(3/4) 9,000円 |
地域特例・ 業況特例対象 |
4/5(10/10) 15,000円 |
4/5(10/10) 15,000円 |
4/5(10/10) 15,000円 |
(括弧書きの助成率は解雇等を行わない場合)
地域特例と業況特例
地域特例とは、都道府県の休業・時短要請等の対象で、かつ要請を守っている事業所に対する特例をいいます。業況特例とは、生産指標が最近3ヶ月の月平均で前年、前々年又は3年前同期比30%以上減少している事業所に対する特例をいいます。例えば1月分の支給申請をする場合、直近の2021年11月から2022年1月の売上等が前年、前々年などと比較して30%以上減少していれば対象となります。1月以降の支給申請の際、業況特例を受けたい場合はこの生産指標にかかる書類を提出する必要があります。
対象月の判定方法
前述の表による「1月分」とは、「判定期間の初日が1月にある月」を指します。例えば判定期間が2022年1月21日から2月20日の場合、それは「1月分」の申請となり、原則上限が11,000円となります。
段階的縮小の影響
この上限額の段階的縮小の影響を受けるのは、従業員の平均給与が高い事業所になります。助成金の算定対象となる平均給与が高いほど、上限額の縮小のインパクトが大きくなります。逆に平均給与が低い事業所、又は特例対象の事業所については12月以前と同様の助成がなされます。
1日あたり助成額試算
対象月 |
2021 12月まで |
2022 1,2月まで |
2022 3月まで |
平均日給2万円 |
13,500円 |
11,000円(▲18%) |
9,000円(▲33%) |
平均日給1万円 |
9,000円 |
9,000円 |
9,000円 |
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