外国人技能実習制度に代わる育成就労制度について
- 2025.08.26 コラム
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はじめに
人手不足が深刻化する中、外国人材の活用が一層求められています。
外国人の「技能実習制度」が、2027年を目途に、「育成就労制度」に切り替わることが予定されています。
以下その概要・移行スケジュール・企業に求められる対応を整理して解説します。
制度変更の背景と目的
従来の「技能実習制度」は、発展途上国への技術移転が名目ですが、現実には日本国内の人手不足を低賃金で補う目的で広く使われてきました。
その結果、実習生の低賃金・長時間労働・失踪・ハラスメントや人権侵害といった問題が国内外で問題視され、制度の見直しが必要となりました。
そこで、政府は2024年6月に技能実習制度に代わる「育成就労制度」創設の法改正を決定しました。
育成就労制度の特徴
育成就労制度の目的として「育成就労産業分野(育成就労制度の受入れ分野)において、我が国での3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、
当該分野における人材を確保すること」が掲げられています。
技能実習制度の目的が技術移転であることに対し、育成就労制度は外国人労働者の育成と人材確保が目的である点が特徴です。
そのため、在留期間は原則3年であり、技能実習に比べて中長期的な就労が可能となります。また、日本語能力(JLPT N5相当/A1以上)が入国前に必須となります。
1年後に技能検定基礎級相当の試験受験、3年以内に技能検定3級/特定技能1号相当合格を目標とします。
技能実習制度との違い
技能実習制度との違いをまとめると以下の表のようになります。
育成就労制度においては、人材不足分野の外国人人材受け入れのための特定技能制度に繋げていく意図が明確に示されています。
スケジュールと移行期間
2024年6月21日の育成就労法成立日から3年以内に施行される予定で、現在のところ2027年からの施行が予定されています。
技能実習制度は段階的に廃止され、2027~2030年に新制度に完全移行する予定です。
中小企業に求められる準備
育成就労制度の認定を受けるためには育成就労計画の策定が必要となるため、「どんなスキルを身につけてほしいか」を明文化した育成就労計画を作成しましょう。
また、教育・日本語支援の体制確保や、監理団体に代わる「監理支援機関」への登録、担当者配置、業務の手順整備も必要となります。
外国人労働者の人材確保を検討している企業の労務担当者は今後の動きに注目していきましょう。
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