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定額残業代制度の有効性についての今

2024.06.26 コラム

さくら社会保険労務士法人では、愛知・名古屋を中心に労務問題対応、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。

はじめに

残業代を固定で毎月支払ういわゆる「定額残業代制度」については、現在も法律で禁止されているわけではありません。

しかし、昨今ではこの定額残業代制度という言葉が「長時間労働が前提となっている就業環境=ブラック企業と疑われる」などネガティブなイメージを持たれることも多くなってきています。

定額残業代制度について裁判などで争った場合、その有効性が現在どのように判断されるかについて紹介します。

定額残業代制度とは

定額残業代制度とは一般に、一定額を定めて割増賃金、いわゆる残業代を毎月支給する制度で、実残業代がその額を上回った場合は差額支給をする一方で、実残業代がその額よりも少ない場合でも差額を控除しないというルールで運用されます。

所定(法定)労働時間をバケツで例えるならば、定額残業手当はバケツの下に敷くタライのようなもので、バケツからあふれた水=実労働時間を一定量受けるためのものと考えるとわかりやすいでしょう。

明確区分性


定額残業代制度の有効性を判断するためには、まず「明確区分性」が重要であるとされています。

この明確区分性とは、通常の労働時間に対する賃金と、残業代としての賃金が明確に区分されていることを指しています。

例えば下記のような基本給に残業代が含まれているという主張は明確区分性の点から問題があるといえます。

  <NG例>

  基本給30万円(月間30時間分の残業代を含む)

見込み残業時間の上限


定額残業代に関する裁判などでは、見込み残業時間数が多いか少ないかだけで有効性を判断されるわけではありません。

しかし、長時間の時間外労働を恒常的に労働者に行わせることを予定していたと認められる場合などは、その定額残業制度自体が公序良俗に反して無効であると判断される可能性が高くなります。

法律上の年間の残業上限が原則360時間(1年単位変形労働時間制を採用している場合320時間)であることを考えると、見込み残業時間は当該上限時間÷12の「26〜30時間程度」とした方が無難かもしれません。

見込み残業時間の内訳明示の有無


定額残業代が何時間分の残業に当たるかを労働契約書などで明示しているか、あるいはその中に深夜割増賃金や法定休日割増賃金がどれだけ含まれているかを明確にすべき、という主張もあります。

しかし、詳細な内訳や見込み時間の明示の有無よりも「定額残業代制度が実態に即しているか」により気を配るべきでしょう。

この「実態」とは、①通常の賃金と明確に区分されているか、②それが労働契約書などできちんと明示されているか、③実際に毎月労働時間を集計し、定額残業代との差額計算をしていたかなどの実態を指します。

勤怠管理がずさんであったり、労働条件の明示を怠ったりしていると会社に不利に働きますので、定額残業代を採用している場合は、特にこの「実態」について注意しましょう。

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