健康保険料率・介護保険料率の変更について
- 2024.06.03 コラム
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はじめに
健康保険料率・介護保険料率は、都道府県ごとの収入・支出のバランスなどをもとに毎年3月(4月納付分)に改定されますが、2024年3月からの改定保険料率が発表されました。
以下、変更内容その他について解説します。
健康保険料率
2024年度は、関東圏等について概ね保険料率が下がる結果となりますが、逆に関西・中部・北陸などの地域は上がります。
都道府県 |
2023年度 |
2024年度 |
都道府県 |
2023年度 |
2024年度 |
埼玉県 |
9.82% |
9.78% |
岐阜県 |
9.80% |
9.91% |
千葉県 |
9.87% |
9.77% |
愛知県 |
10.01% |
10.02% |
東京都 |
10.00% |
9.98% |
三重県 |
9.81% |
9.94% |
静岡県 |
9.75% |
9.85% |
沖縄県 |
9.89% |
9.52% |
青字は前年比で下降、赤字は前年比で上昇
保険料率に差がある理由
健康保険料率は、被保険者1人当たりの医療費などを元に都道府県ごとに計算されますが、年齢構成の高い都道府県ほど保険料が高く、所得水準が高い地域ほど保険料が安くなる傾向にあります。
介護保険料率
40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)は、これに全国一律の介護保険料率(1.60%)が加わりますが、2024年3月からの介護保険料率は従来の1.82%から下がります。
インセンティブ制度
協会けんぽでは、2018年度から「インセンティブ(報奨金)制度」が導入されました。
これは各都道府県の健康への取組に応じて、インセンティブ(報奨金)を付与し、都道府県支部ごとの「健康保険料率」に反映させるものです。
具体的には、健康保険料率の中にインセンティブ制度用の財源0.01%を盛り込んだ上で、各支部の評価指標(特定健診実施率など)の実績に応じて得点をつけ、その得点ランキングの上位15支部(上位約30%)に報奨金を付与することによって保険料率を引き下げる仕組みになっています。
なお、2022年度実績では以下のようなランキングになっています。
健康診断受診やジェネリック医薬品への切り替えの意識は地方が高い傾向にあるものの、年齢構成や所得水準も影響するため、この順位が必ずしも保険料率の順位とは一致しないようです。
都道府県 |
順位 |
都道府県 |
順位 |
佐賀県 |
1位 |
岐阜県 |
11位 |
山形県 |
2位 |
愛知県 |
29位 |
島根県 |
3位 |
三重県 |
27位 |
東京都 |
21位 |
神奈川県 |
41位 |
静岡県 |
22位 |
高知県 |
47位 |
引用:インセンティブ制度にかかる令和4年度実績について令和5年12月4日
保険料率の今後
健康保険料率は、当然ながら国民医療費の60%超を占める65歳以上医療費への施策がカギになります。
医療費負担割合や終末医療に抜本的な改革がなければ、健康保険料が大幅に下がることは見込めないでしょう。
社会保険のパートへの適用拡大も控えているため、健康保険制度に対してより一層の注目が集まります。
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