2024年度厚労省予算案から見える動向
- 2024.04.25 コラム
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はじめに
公表された2024年度厚生労働省予算概算要求の資料によると、最低賃金、リ・スキリング、ハラスメント対策、両立支援などについての対策が予定されているようです。
以下、助成金の拡充や新設などの情報を交えて動向について解説します。
最低賃金と正社員化
最低賃⾦・賃⾦の引上げに向けた中小・小規模企業等⽀援、非正規雇⽤労働者の正規化促進、雇⽤形態に関わらない公正な待遇の確保のための以下の施策等が予定されています。
- ・最低賃⾦の引上げに向けた環境整備のための⽣産性向上に向けた支援強化
- ・デジタル化推進、物価⾼騰等への対策支援
- ・キャリアアップ助成⾦の要件緩和等による正社員転換を希望する非正規雇⽤労働者の正社員化促進
- ・無期転換ルール等の円滑な運⽤に向けた周知
キャリアアップ助成金正社員化コースについては、2023年11月29日から「支給額の増額(57万円→80万円)」「3年以内正社員化要件の撤廃」など拡充されています。
ただし、今まで正社員だった者を有期契約者と偽って助成金支給申請をするなどの不正に対しては今まで以上に厳しい審査が行われることが予想されます。
リ・スキリングと労働移動
リ・スキリングについては、新規事業の立ち上げ、DX化等の事業展開に伴い、事業主が雇用する労働者に対して新たな分野で必要となる訓練の費用や賃金の一部を助成する人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)などが注目です。
- ・リ・スキリングのための職業訓練
- ・スキルアップのための在籍出向の推進
- ・中小企業の職業訓練実施への支援
- ・成長分野、未経験分野への就職を希望する就職困難者を雇い入れる事業主への支援
- ・副業・兼業の促進
多様な働き方
人手不足への対策として、フリーランスの活用や育児との両立、ハラスメント対策の環境整備など以下の施策に対して予算が割り当てられています。
- ・フリーランスが取引上不当な取り扱いを受けないような取引適正化への周知・啓発
- ・フリーランス労災保険特別加入
- ・テレワークの推進、勤務間インターバル制度導入
- ・年次有給休暇の取得促進、残業抑制
- ・選択的週休3⽇制の普及促進
- ・ハラスメント相談など防止対策の推進
- ・介護及び障害福祉分野へのICT・ロボットの導入等による生産性向上を通じた職場環境の改善
- ・仕事と育児・介護の両⽴支援のため、業務代替整備・柔軟な働き方の導入等も含めた支援の拡充
この中で、育休中の人手不足への対策として、育休取得者の業務を代替する社員へ企業が支給する「応援手当」に関し、育休取得者1人につき最大125万円を企業に助成する案が発表されています。
具体的には業務見直しなどの経費として5万円、業務代替する社員に支給した手当の4分の3を月に上限10万円、最長12カ月間助成する内容となっています。
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