「2ヶ月以内の有期雇用」が社会保険加入対象となる法改正
- 2024.04.12 コラム
さくら社会保険労務士法人では、愛知・名古屋を中心に労務問題対応、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
はじめに
現在段階的に「社会保険の適用拡大」が行われており、パート・アルバイトも企業規模により徐々に加入対象となっていますが、一方で労働時間が通常の労働者と同様であっても被保険者とされない例外的な者もいます。
2ヶ月以内の有期雇用契約で働く労働者は社会保険の加入対象外であることから、これを根拠に当初社会保険に加入しない、という手法が一般に行われていましたが、2022年10月からこの取り扱いについて一部法改正がありました。
以下有期雇用契約の社保加入の注意点について解説します。
被保険者とされない人
以下の人は、労働時間が正社員と同様であっても被保険者となりません。
1. 日雇いの人 2. 2ヶ月以内の期間を定めて使用される人 3. 所在地が一定しない事業所に使用される人 4. 季節的業務(4ヶ月以内)に使用される人 5. 臨時的事業の事業所(6ヶ月以内)に使用される人 |
中でも2については、社会保険加入を合法的に免れる手段として以下のような使われ方をしてきました。
▶️入社してすぐ退職した場合、社会保険の手続きが煩雑になるので、当初2ヶ月を有期雇用契約とする。
▶️社会保険に加入しないために、2ヶ月の有期雇用契約を繰り返す。
※これは間違った解釈で、実際は有期契約を更新した3ヶ月目から社会保険加入対象となります
法改正の内容
2022年10月から、当初の雇用期間が2ヶ月以内であっても、以下のいずれかに該当する方は雇用期間の当初から社会保険の加入となります。
1. 就業規則、雇用契約書等において、その契約が「更新される旨」、または 「更新される場合がある旨」が明示されている場合 2. 同一事業所において、同様の雇用契約に基づき雇用されている者が、 更新等により最初の雇用契約の期間を超えて雇用された実績がある場合 |
つまり、形式上は有期契約だがその契約内容が更新を前提としている、または更新の可能性がある場合は、2ヶ月以内の有期雇用契約であっても社会保険に加入しなければならないということです。
逆にいうと、2ヶ月以内の有期契約を理由に社会保険加入対象から外すことができるのは、「契約更新をしない短期の契約」の場合のみ、という点に注意が必要です。
社会保険の今後
2024年10月からは51人以上の事業所においてパート等も社会保険加入対象になり、中小企業がこの適用拡大に該当するケースも増えるでしょう。
今回の「有期雇用契約の社保適用」ルールからも分かるように、今後はさらに「常時働く人は原則として社会保険加入対象とする」という方向へ向かっていくでしょう。
労務問題対策には専門家の支援を
当法人では、企業様に顧問社労士契約を推奨しております。労務・手続き・助成金に強い顧問社労士をつけることで、労務問題を迅速に解決するだけでなく、給与計算や諸手続きにかかる総務部門の間接コストを削減することができ、経営に専念できる環境を整備出来ます。その他にも受給できる助成金の提案・申請代行や各種研修の実施・最新情報提供など、様々なメリットがあります。 詳しくは、【サービス紹介】をご覧ください。
実際に顧問契約をご締結いただいている企業様の声はこちら【顧問先インタビュー】