顧客の迷惑行為への対策を考える
- 2023.03.27 コラム
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はじめに
2023年1月、大手回転寿司チェーン・スシロー等において、備え付けの醤油を舐めたり、廻っている寿司に悪戯をしたりといった顧客の迷惑行為の動画が話題となりました。多くは中高生など若者による悪ふざけ動画ですが、SNSを通じて拡散した結果、一時運営会社の株価が大幅に下落する事態になりました。事件は今後損害賠償請求訴訟に発展する見通しです。
また、近年では顧客から土下座を要求されるなど過剰な迷惑行為「カスタマーハラスメント」についても対策が望まれています。このような顧客の迷惑行為に対して、会社は労務管理上どのような対策を講じることができるかについて考察します。
迷惑行為の種類
顧客が起こす迷惑行為として、商品を汚す、壊す、盗むなど直接危害を加えるパターンと、従業員に対してのカスタマーハラスメント行為をするパターン、あるいは盗撮・盗聴などによる行為もあるでしょう。
迷惑行為の種類 | 例 |
商品への危害 | 商品を汚す、壊す、万引きする、弄ぶ など |
従業員へのハラスメント | 苦情の長電話をする、謝罪を強要する、暴言、脅迫、セクハラ など |
情報漏洩、風評被害 など | 無断で店内を撮影してSNS拡散、悪評・誹謗中傷を比較サイトやSNSに書き込む など |
対策①物理的な予防
あらかじめ想定できる迷惑行為をリストアップし、それらの迷惑行為をしにくくさせる物理的な予防 対策を講じましょう。例えば前述のスシローでは、当面の間①注文された商品のみをレーンに流す②卓上の醤油などは取り換え可能とする③レーンと座席をクリアボードで仕切るなどの対応策を発表しました。 そのほかの物理的対策の例としては以下のようなものがあります。
<物理対策の例>
万引きや毀損 | 売り場には商品見本だけ置き、商品はストックルームに置く など |
従業員への迷惑行為 | 電話を自動応答に切替える/注文はタブレット端末で取る/IDの提示がない場合入店を断る など |
情報漏洩、風評被害 など | インターネット上の情報をモニタリングし、不当な書き込みなどがないかを常時チェックする など |
対策②カスハラ対策マニュアル
迷惑行為に遭遇した時の対応策をマニュアル化し、従業員に周知することも有効な対策の一つでしょう。マニュアルは下記の例のようにできるだけセリフや注意事項を具体的に例示し、定期的にロープレなどして実効性を高めていくとよいかもしれません。
<苦情対応の注意事項の例> ・夜間や早朝には対応しないこと。 ・喫茶店や別の場所に行かないこと。 ・録画できる場所で対応すること。 |
<セリフの例:「上司を出せ!」という要求に対して> ・「恐れ入りますが上司に取り次ぐため、まずはどのようなご用件かをお伺いできますでしょうか。」 「大声でお話しになると他のお客様のご迷惑になってしまいます。 どのようなご用件か、まずはお聞かせいただけますでしょうか。」 |
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