2022年10月以降の 雇用調整助成金について
- 2022.10.27 コラム
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はじめに
雇用調整助成金は、業績悪化などの理由で従業員を休業させるときの休業手当の一部を補填するものですが、新型コロナウイルス感染拡大による深刻な影響を受けている企業向けに「助成率と1日当たりの上限額を増やす」特例措置が設けられています。そして現在はコロナ騒動の収束に向けて段階的に特例措置を縮小しています。
10月、11月の助成内容
10月、11月分雇用調整助成金の助成率及び上限額は以下の通り発表されました。ポイントとしては①地域特例・業況特例の場合の上限額が15,000円から12,000円に減額されたほか、②原則の場合の上限額がコロナ特例前の金額(雇用保険の基本手当の日額上限)に戻されました。
2022年7~9月 | 2022年10~11月 | ||
中小企業 | 原則的な特例措置 |
4/5(9/10) 9,000円 |
4/5(9/10) 8,355円 |
地域特例業況特例 |
4/5(10/10) 15,000円 |
4/5(10/10) 12,000円 |
|
大企業 | 原則的な特例措置 |
2/3(3/4) 9,000円 |
2/3(3/4) 8,355円 |
地域特例業況特例 |
4/5(10/10) 15,000円 |
4/5(10/10) 12,000円 |
※カッコ書きの助成率は解雇等を行わない場合
なお、地域特例、業況特例に係る条件は9月以前と変わりません。業況特例については、売上などの生産指標が、最近3か月の月平均で前年、前々年又は3年前同期比で30%以上減少している事業主が対象となります。この業況は毎月確認資料の提出を求められます。
助成金額への影響
この変更により、10月以降の雇用調整助成金額は平均給与額が高い会社ほど減額幅が大きくなります。
※下表は概算であり実際の申請金額とは異なります。
<地域・業況特例(解雇なし)の場合の休業1日あたり助成金減少率※>
平均日給額 | 2022年9月まで | 10月、11月 | 減少率 |
20,000円 | 15,000円 | 12,000円 | 20% |
13,000円 | 13,000円 | 12,000円 | 8% |
12,000円 | 12,000円 | 12,000円 | 0% |
不正受給調査
不正受給調査が厳格化されており、次のように取り締まり対象となる不正の例が示されています。
架空休業 | 実際には出勤(テレワーク含む)しているにも関わらず休業したものとして休業日数や休業時間を“水増し”して申請 |
架空休業 | 出勤日にタイムカードを打刻しないよう従業員に指示する等により法定帳簿(出勤簿、賃金台帳など)を改竄・偽造して申請 |
架空雇用 | 退職した従業員を現在も雇用しているように装う、あるいは架空の人物を雇用しているよう装い、休業したものとして申請 |
架空休業手当 | 実際には従業員に所要の休業手当を支払っていないが、支払ったことを装い申請 |
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