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60時間超の時間外労働割増賃金率の上昇について

2022.07.26 コラム

さくら社会保険労務士法人では、愛知・名古屋を中心に労務問題対応、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。

はじめに

 労働基準法では、労働時間の抑制のために法定労働時間を超える時間外労働や休日労働に対して割増賃金が設定されていることは広く知られていますが、大企業の割増率が既に「月間60時間以下は25%」「月間60時間超は50%と二段階に設定されていることはあまり知られていません。

そして2023年4からは、大企業のみが対象となっていた二段階の割増率が中小企業にも適用となります。

 

二段階の割増率

 2023年41日から月60時間超の割増賃金率が以下の表の通り大企業、中小企業ともに50%になります。月間60時間を境に割増率が倍増する制度設計からは、「国は60時間以上の残業をさせたくない」という明確な意図が読み取れます。

月間60時間以下 月間60時間超
大企業 25% 50%
中小企業 25% 25%→50%

中小企業の定義

 割増率に関する中小企業の定義は以下の①または②を満たすこととされています。②常時使用する労働者数には、パート・アルバイトを含めます。

業種 ①資本金の額または出資額の総額 ②常時使用する労働者数
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他 3億円以下 300人以下

賃金増加の試算

 下記の通り、月給20万円の人に80時間の残業をさせた場合、今までと比べて月間5,882円賃金が上がる計算になります。併せて、賃金に連動した社会保険料等のコストも上昇することになります。

 

 

 

 

(例)月給20万円(所定170時間)の人が80時間残業した場合

2023年3月まで

117,647円

20万円÷170×1.25×80

2023年4月以降

123,529円 ※+5,882円

20万円÷170×1.25×60+20万円÷170×1.5×20

賃金請求権の消滅時効の延長

 2020年4月の民法などの改正により、未払い残業代など賃金請求権の時効が2年から5年に延長されました(ただし、当面は経過措置として3年とされています)

 この改正も考慮すると、改正から3年経過する20234月以降に未払い残業代請求件数及び請求金額が大幅に増加する可能性があります。法改正に合わせて労働者側弁護士による未払い残業代請求のPRも盛んになることが予想されます。もちろん長時間労働は労働者の健康増進のためにも避けるべきですが、金銭的な面でも本格的に対策していく必要があると言えるでしょう。

 

固定残業制度との関係

 固定残業制度に60時間を超える残業時間を設定している場合、法改正後は固定残業手当の再計算をする必要があります。しかし、そもそも1ヶ月45時間を超える固定残業制度の設計自体の労使トラブルリスクが高いため、法改正に先立って早めに内容を見直していきましょう

労務問題対策には専門家の支援を

 当法人では、企業様に顧問社労士契約を推奨しております。労務・手続き・助成金に強い顧問社労士をつけることで、労務問題を迅速に解決するだけでなく、給与計算や諸手続きにかかる総務部門の間接コストを削減することができ、経営に専念できる環境を整備出来ます。その他にも受給できる助成金の提案・申請代行や各種研修の実施・最新情報提供など、様々なメリットがあります。 詳しくは、【サービス紹介】をご覧ください。

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