2022年10月からの社会保険適用拡大について
- 2022.04.06 コラム
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はじめに
健康保険及び厚生年金保険、いわゆる「社会保険」について、その加入対象は今まで「正社員もしくは正社員並みに働くパート・アルバイト」とされてきました。しかし今年10月からは、従業員数101人以上の企業について短時間パート・アルバイトに対して適用範囲がさらに拡大されます。以下チェックポイントを整理して紹介します。
自社は対象となるか?
2022年10月からの適用拡大の対象企業は「従業員数101人~500人の企業で働くパート・アルバイト」です。従業員数のカウント方法は、①フルタイムの従業員+②週所定労働時間がフルタイムの4分の3以上の従業員の合計人数、つまり「現在の厚生年金保険の適用対象者」の合計人数が101人以上であるかどうかで決まります(被保険者登録されている現在の人数ではなく、本来の適用対象者人数が基準となります)。例えば社会保険加入のフルタイム従業員(週所定40時間)が70人、週所定30時間以上の社会保険対象パートタイマーが31人いる場合、実際の社会保険加入人数に関わらずこの法改正の対象となります。
101人前後で人数が変動する場合の判断は?
基本的には事業所ごとに判断し自主的に適用手続きを行うことが求められます。また「直近12ヶ月のうち6ヶ月で基準を上回っている場合」は日本年金機構において適用するという方針が示されています(なお法人は、法人番号が同一の全企業を合計して、個人事業所は個々の事業所ごとにカウントします)。
どのように適用拡大されるか?
次の4つの要件を全て満たす短時間のパートタイマー等が新たに社会保険対象となります。
- ①週の所定労働時間が20時間以上30時間未満(※週所定労働時間が40時間の企業の場合。契約上の所定労働時間であり、臨時に生じた残業時間は含まない。)契約上20時間に満たない場合でも、実労働時間が2ヶ月連続で週20時間以上となり、なお引き続くと見込まれる場合には、3ヶ月目から保険加入とします。
- ②月額賃金が8.8万円以上(※月額賃金とは基本給及び諸手当を指します。ただし残業代、通勤手当、賞与等は含まない。)
- ③2ヶ月を超える雇用の見込みがある
- ④学生ではない(※ただし休学中や夜間学生は加入対象)
つまり、上記の条件は主に「サラリーマンの被扶養配偶者などのパートタイマー」に向けた適用拡大と言えるかもしれません。
従業員から加入したくないと言われたら?
事業所がこの適用拡大の対象となった場合、該当のパートタイマー等は強制的に社会保険加入の対象となりますので、制度の理解を促して加入するよう努めてください。
加入しないとペナルティがある?
未加入の場合の罰則として6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金のほか、2年遡及加入命令などを受ける可能性があります。ただし現在は制度変更の過渡期であるため、まずは対象となりそうな規模の事業所に対して事前調査などの指導がなされると予想されています。
- ●事業場ごとに労働者名簿を画面に表示し、印字するための装置を備えておくこと
- ●労働基準監督署による調査等で労働者名簿の閲覧・提出等が必要になった場合に、直ちに必要事項が明らかになっている写しを提出できるようにしておくこと
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