2022年度「年金関係」の法改正について
- 2022.02.02 コラム
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1.在職中の年金停止基準の緩和
厚生年金の被保険者のまま年金の受給権を持つ場合、「年金月額+給与等月額」が一定額以上の時に年金の一部または全部が支給停止になる仕組みがあります(在職老齢年金制度)。この度、60~64歳の在職老齢年金制度(低在老)について、支給停止の基準額が28万円から、現行の65歳以上の在職老齢年金制度(高在老)と同じ「47万円」に引き上げられます。つまり、60歳代前半について「年金支給停止されにくくなる」わけですが、実際には年金支給開始年齢の段階的引き上げの影響で、多くは60歳代前半に年金を受け取っていません。そのため、影響は限定的と言われています。
(改正時期:2022年4月1日)
2.65歳以降年金額の毎年増額改定
現行の法律では、年金額を決定するのは原則として①年金の受給権を得た時と②退職や70歳到達などの資格喪失時だけでした。つまり、一旦受給権を取得した年金については、その後に保険料をかけていても「資格喪失するまで」年金額に反映されない仕組みでした。この度、高齢期の就労継続を早期に年金額に反映するため、在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上)の年金額を毎年1回、10月分からに増額改定されるようになります。
(改正時期:2022年4月1日)
3.年金手帳の廃止
年金手帳については、従来、①保険料納付の領収の証明、②基礎年金番号の本人通知に用いられてきましたが、被保険者に関する情報は既にシステムで管理がなされており、またマイナンバーの導入もあり、手帳という形式で管理する必要性がなくなりつつあります。こうした環境の変化を踏まえ、事務簡素化のため、国民年金手帳が廃止されます。具体的には年金手帳交付は「基礎年金番号通知書」に変わります。また年金手帳紛失時に再交付申請をする事務がなくなります。(改正時期:2022年4月1日)
4.受給開始時期の選択肢拡大
現在、公的年金は原則として65歳から受け取ることができますが、60歳から70歳の間で「繰り上げ、繰り下げ」が可能となっています(繰り上げすると年金額は減額、繰り下げすると年金額は増額する)。今回の法改正では、年金の受給開始時期の選択肢が、60歳から75歳の間に拡大されます。(改正時期:2022年4月1日)
5.その他
確定拠出年金の加入可能年齢引き上げや未婚のひとり親への国民年金保険料免除制度などの法改正が予定されています。(一部は2021年からすでに施行)
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