資格取得支援制度の設計方法
- 2026.05.27 コラム
さくら社会保険労務士法人では、愛知・名古屋を中心に労務問題対応、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
はじめに
AIの進化を受けて、近年、リスキリングやキャリアアップへの関心が高まっていると言われています。
中でも資格取得支援制度の整備は採用力・定着力の向上に効果的な経営課題のひとつでしょう。
以下、資格取得支援制度の代表的な設計方法として「①費用の直接負担方式」と「②無利子貸付・段階的返済免除方式」を対比しながら、それぞれのメリット・留意点を解説します。
費用を直接負担する方式(支給型)
会社が受験料・教材費・講習受講料などを全額(または一部)負担し、社員に支給する方法です。
合格した場合に一時金(合格報奨金)を支給するケースや、資格保有者への毎月の資格手当を付与する形もこれに含まれます。
【求人上のアピール力:◎】
「資格取得費用を全額会社が負担」という求人表記は、求職者に対して高い訴求力を持ちます。
社員にとっては金銭的リスクがゼロで自己成長に投資できるため、成長意欲の高い優秀な人材の獲得・定着に有利に働きます。
【留意点・リスク】
最大の課題は「取るだけ取ってすぐ辞める」リスクです。
労働基準法第16条は退職を条件とした違約金・損害賠償の予定を禁止しており、「○年以内に退職したら費用を返還せよ」という条件を費用負担とセットで設定すると、同条違反として無効になる可能性が高いです。
支給した費用の回収手段が法的に制限される点を十分理解した上で導入する必要があります。
無利子貸付・段階的返済免除方式(貸付型)
会社が資格取得費用を社員に「無利子貸し付け」(金銭消費貸借契約)、一定期間の勤続を条件として段階的に返済を免除していく方法です。
たとえば「1年勤続で30%免除、2年で60%免除、3年で全額免除」といった設計が典型例です。
労基法16条は「賠償予定の禁止」を定めていますが、本方式は貸付金の返還を求めるものであり、退職を罰する構造とは異なるため、適切に設計すれば合法とされています。
【求人上のアピール力:△】
「費用を立て替えてもらう」という構造上、直接負担方式と比べると求職者へのアピール力は劣ります。
「会社への借金を抱えながら働く」「辞めにくい」という心理的プレッシャーを与えるため、丁寧な説明が必要です。
【メリット:早期離職リスクの予防】
最大の利点は、「取得後すぐ退職」という事態を法的に予防できる点です。
勤続年数に応じた段階的免除を設けることで、社員は一定期間在籍するインセンティブを持ちつつ、退職の自由も確保されます(免除前に退職する場合は残債を返済)。
導入にあたって
資格取得支援制度は、求職者・在籍社員双方のキャリアアップ意識が高まる現代において、採用・定着の両面で効果的な福利厚生です。
「アピール力を最大化したい」なら支給型、「費用保護と早期離職予防を両立したい」なら貸付型、という使い分けが基本となります。
また両者を組み合わせ、少額資格は支給型・高額資格は貸付型とするハイブリッド設計も有効な選択肢です。資格取得支援制度設計についてのご相談は当事務所までお寄せください。
労務問題対策には専門家の支援を
当法人では、企業様に顧問社労士契約を推奨しております。労務・手続き・助成金に強い顧問社労士をつけることで、労務問題を迅速に解決するだけでなく、給与計算や諸手続きにかかる総務部門の間接コストを削減することができ、経営に専念できる環境を整備出来ます。その他にも受給できる助成金の提案・申請代行や各種研修の実施・最新情報提供など、様々なメリットがあります。 詳しくは、【サービス紹介】をご覧ください。
実際に顧問契約をご締結いただいている企業様の声はこちら【顧問先インタビュー】











