雇用保険の育児関連給付の創設等について
- 2024.08.28
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はじめに
2024年6月に、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案が成立しました。
こども未来戦略の「加速化プラン」の実現のため、子育てにかかる経済的支援が強化されます。
以下、この法改正の一部として2025年4月から新たに創設される雇用保険の育児関連給付について解説します。
出生後休業支援給付(新設)
この給付は、子の出生直後の一定期間内に取得する育児休業に対して支給されるものです。
具体的には、男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内に、被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得する場合、被保険者の休業期間について28日間を限度に、休業開始前賃金の13%相当額が支給されます。
つまり、共働き夫婦が産後初期に2人とも育児休業を取得する※ことで、通常の育児休業給付(休業開始前賃金の67%)に13%上乗せして支給されます。
2つの給付合計は80%となり、当該最大28日について、育児休業にかかる社会保険料免除と合わせると実質的に休業前の手取り賃金相当が給付される計算になります。
※配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合などには、配偶者の育児休業の取得は求められません。
この給付の創設により、出産直後の男性育児休業取得がさらに後押しされることとなり、「子どもが生まれたらパパも2週間育休を取得する」などといった動きが 一般的になるでしょう。
育児期時短就業給付
この給付は、雇用保険被保険者が2歳未満の子を養育するために時短勤務をした場合に、時短勤務中に支払われた賃金額の10%を支給するものです。
つまり、時短勤務によって下がった賃金を一部補填することで、育児休業中の時短勤務を奨励するものでしょう。
通常の所定労働時間が8時間の場合、その10%は48分にあたりますので、イメージとしては「約1時間時短勤務をしても従前の手取り額が維持される」という状態になります。
この給付の創設により育児期間の時短勤務がさらに促進されるかは未知数ですが、「保育園送迎などのために少し早く帰る」などの使い方が想定されます。
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