意外と難しい家族手当・住宅手当と残業単価
- 2023.01.26 コラム
さくら社会保険労務士法人では、愛知・名古屋を中心に労務問題対応、就業規則作成、勤怠管理システム導入、助成金の提案など人事労務分野の各テーマ別ノウハウに基づいてご支援をさせていただくことが可能です。上記テーマ等でお困りの会社様は、是非一度当法人にご相談ください。
はじめに
残業手当など割増賃金の単価計算について、除外することができる手当は法律で定められています。支給条件によっては例外もある意外と難しい家族手当・住宅手当と残業単価について解説します。
なぜ残業単価計算から除外できるか
割増賃金単価計算から除外できる手当は以下の手当ですが、なぜ除外できるかというと、これらの手当は労働との直接的な関係が薄く、個人的事情に基づいて実費弁償的に支給されるものであるからです。この「実費弁償的」という部分がポイントになります。
家族手当/通勤手当/別居手当/子女教育手当/住宅手当 臨時に支払われた賃金/1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 |
家族手当の条件
家族手当とは一般に労働者が「家族を扶養していること」を条件として支給する手当ですが、割増賃金単価計算から除くことができる家族手当とは下記の例のように「扶養家族数又はこれを基礎とする家族手当額を基準として算出した手当」を指します。
○除外できる家族手当の例
配偶者 | 月額10,000円 |
子 | 月額 5,000円(二人まで) |
たとえば独身者にも一定額の手当が支払われている場合には、独身者に支払われている部分(又は扶養家族のある者に対して「本人分」として支払われている部分)は、家族手当ではないとされます。また、扶養家族数に関係なく一律に支払われる手当は除外できません。
×除外できない家族手当の例
・扶養家族がいる者に対して一律10,000円など
※扶養家族の人数に応じて支給される家族手当でなければ除外できないことに注意が必要です。
住宅手当の条件
住宅手当を割増賃金計算から除外するためには、住宅手当が住宅に要する費用に応じて算定されるものでなければなりません。つまり、①費用に定率を乗じた額とする、②費用を段階的に区分し費用が増えるに従って額を多くする、などの計算による必要があります。
○除外できる住宅手当の例
(定率パターン)
賃貸住宅居住者 | 賃料月額の30% |
自己所有住宅居住者 | 住宅ローン月額の30% |
(段階パターン)
住宅月額費用 | 手当額 |
8万円まで | 1万円 |
9万円~15万円未満 | 2万円 |
15万円以上 | 3万円 |
×除外できない住宅手当の例
・居住形態に関わらず一律10,000円
・賃貸は一律10,000円、持ち家は一律20,000円
・会社の命令により転居し賃貸物件に住む場合一律20,000円など
単価計算を間違えた時のリスク
除外できないはずの家族手当や住宅手当を除外して割増賃金を計算していた場合、残業代の未払いが発生することになります。自社の計算が正しいか確認をしてみましょう。
労務問題対策には専門家の支援を
当法人では、企業様に顧問社労士契約を推奨しております。労務・手続き・助成金に強い顧問社労士をつけることで、労務問題を迅速に解決するだけでなく、給与計算や諸手続きにかかる総務部門の間接コストを削減することができ、経営に専念できる環境を整備出来ます。その他にも受給できる助成金の提案・申請代行や各種研修の実施・最新情報提供など、様々なメリットがあります。 詳しくは、【サービス紹介】をご覧ください。
実際に顧問契約をご締結いただいている企業様の声はこちら【顧問先インタビュー】